「感肌〜Kansyoku〜」インタビュー

Heart で感じて! Sing-Oの音世界
2月1日に、満を持してマキシシングル「感肌〜Kansyoku〜」を
オリジナル・レーベル第一弾として発売した、Sing-O。
収録された3曲は「艶やかなWavy Voiceと圧倒的な歌唱力」が全面に
押し出され、温かさと新鮮さとエネルギーがやんちゃなほどたっぷりと
堪能できる聴きごたえのある作品に仕上がっている。
常に、「LOVE=愛」 と「リアル」をテーマに曲作りをするという彼の
この3曲を制作するに至ったエピソードや込められた想い、さらにこの先、
彼が描くビジョンについてじっくり話しをきいた。
ーまずは、1曲目の 「One love」を制作したきっかけは。
S● 2007年に、精神的にも肉体的にも状況的にも、悶々としていた時期
があり、その状況に 「少し違うかも」と感じてました。
ライブでもその日の良し悪しに関係なく拍手をもらえたり、看板を背負って
る事で過剰な評価を受けたり。そんな甘やかされた状況に少しうんざりして
ました。
そして一方では、そう頭の中で考えている自分が嫌で嫌でたまらなくなって、
状況を変え、魂を鼓舞しないとだめだと思い、自分を試す意味もあり車に
CD400枚とキーボードを積んで、横浜から鹿児島まで3週間の
ストリートライブに行きました。
事前に何のあても予定もない、ガチンコ・ライブの旅です。
ー常にポジティブシンキングのSingーOさんらしいですね。
S● いや、そうでもないんですよ。結構ストリートでも辛い状況にあったりして…、
本当は、訪れる街々で、そこの温かさに触れ何かを感じたいと思っていましたけど、そんな余裕なんてなかったし。
そして、かなり最悪に近い状況で広島まで来たときに、何気に「原爆ドーム」や「平和記念公園」「資料館」を、路上ライブの前に訪れた
んですね。そうしたら、人生で今までにない感覚を覚えたんです。
衝撃というかショックみたいな。そのリアルさに言葉を無くし涙が出ました。
「俺って何やってるんだ…」と。同時に「何かを伝えなくちゃいけないな」と強く感じさせてくれましたね。
自分はラブソングを歌って、1人の人を好きとか、愛とか幸せとか平和とか歌っているけど、
もっとまともに向き合わなくちゃいけない・・・と、ズシっと。
ーライブ前にそんな気持ちになったら、萎えちゃうか、直ぐにでも
何かを作りたい気持ちになったんじゃないですか。
S● 明らかにそれまでの道程とは違う気持ちが生まれていて、迷いがなく
なりましたね。そして 「もっと大きな大きなLOVE」をテーマにした
「One love」を絶対作ろうと思いました。
そして、そのときの気持ちのまま、広島駅前で歌いました。そうしたら
迷いがなくなった自分の気持ちが伝わったのか、すごい人が集まってくれた
んです。感激しましたね。そして、この人たちのためにも、自分の為にも
この気持ちがブレてはいけないと思いました。
今考えると「全てが必然」 だったと思えるほど貴重な体験でした。
ーものすごく大きなテーマを曲にする「必然」で苦労しましたか。
S● 僕は普段、作曲してから作詞をします。そして、1曲に対して
幾つかのパターンの詞を書き突き詰めて行く作り方なんですね。
でもこの曲に関しては、すんなり感じたままで歌詞がすぐにできました。
また、僕が作詞で一番大事にしてるのは「自分が感じている事=リアル」 。
おそらく、作詞家さんには「ここはもっと俯瞰的に見て、感動を呼ぶよう
にしたらいいんじゃないの」 って言われるくらい、僕の「エゴ」が入って
いると思いますけど、これが「自分らしさ」。
この自分らしさを変えたくないと思わしめてくれた1曲です。
ー曲にもすごく広がりがあって大きな人間愛を感じますね。
S● 1つの力が、1人の愛が、1人の強さが大きな「ONE LOVE」に突き進んで行くという
「強くなる」ことを大事にし歌詞に込めたので曲はコーラスで広がりを持たせ、大きなテーマをより優しく世界観を広げました。
まるで、広島駅前で歌ったときの僕の状況と同じで1人1人が集まり大勢になり、大きなパワーになり、
僕に絶対にこの曲を作らなければと思わせてくれた 「One love」です。
そういう意味では実は一番思い入れのある曲なんですよ。
ーそんな大きく深い思い入れのある曲の次、2曲目は 「Dream flows」。
これはテレビ番組のテーマソングですよね。
S● そうです。初めて依頼されて作った曲なんですが、ある意味この曲で
自分の別の引き出しを作る事ができた1曲でもあります。
ー今までのSing-Oさんのバラードのイメージとはかけ離れた、
爽快でグルーブ感溢れる、かっこいいサウンドになっていますね。
S● そうですね。僕がバラードが好きで、これまでたくさん歌ってきた理由
は、バラードが一番日本語が聞き取れると思っているからです。
日本人ですから日本語でリアルな気持ちをメロディーに乗せたいし、きちん
と歌詞を伝えたい、と常に思っているし、自分が音楽で闘う時の 「刀」 は
バラードだと思っています。
そんな僕に『ドリームカー倶楽部』という番組から曲の依頼を頂いたんです。
当然、僕はリアルを大事にしているので、現場に行って、いろんな車を見て、
「会場や番組の雰囲気」から、コンセプトは勢いと重低音だなと思ったんですが
そこから自分の中のコンセプトやイメージに近づける為に試行錯誤し相当苦労し
ました。
ーコンセプトの「勢い」はどうやって表現しましたか。
S● 低音を重視する事で、「勢い」と「重低音」を表現しようと低音を支える「キック」を3種類混ぜてオリジナルの音を作りました。
実際、番組のイベントで何万人という人と車を見たときに、すごい迫力を感じたんですよ。
それに車の音がこんなにもさまざまでたくさんあるのかと…
その低音の響き具合は、体のコアや魂に感じるものがありましたね。
それを表すにはオリジナルのキックが必要と、かなりこだわりました。
ー手ごたえはどうですか。
S● 形にするのに、いつもの僕のスタンスの倍以上かかりましたし形が出来たら直してばらし、また作ってばらして直してが
何度も繰り返された上に「Sing-Oらしくない」と言われるんじゃないかと当初は自信がなかった不安だらけの曲でした。
それが番組で流れた途端、500通もの問い合わせメールが来たそうなんです。
それも深夜の番組にも関わらず。
嬉しかったですね。
それで自信をつけることができたし、自分で自分を決めつけずにもっとチャレンジしたほうがいいと教えられました。
苦労した分、やんちゃでめちゃくちゃかわいいヤツなんです。

ーやんちゃ坊主の後は、今回マキシシングルのタイトル曲になっている
「感肌〜Kansyoku〜」。 やはり、かなり思い入れがあるのでは。
S● さっきも出ましたけど、僕の芯にあるのは「バラード」なんです。
今回、「Jerry Brothers Music」というレーベルを立ち上げて本当の自分を出し
たいと思ったとき、この曲が一番、今の自分であり、Sing-Oというアーティスト
らしいと思って、タイトル曲にしました。
ー究極のラブソングのようですが、制作のきっかけは何ですか。
S● 先輩の結婚式で何か歌ってくれないか、と言われて作った曲なんです。
本当に彼女を大切にする先輩だったのでイメージも膨らみやすかったし、
何より自分がこうしたいという憧れを素直に書きました。
ー結婚式の為の曲には、女性に捧げるものが多いですが、Sing-Oさんの
この曲は違いますよね。
S● もちろん、女性に捧げたいというのもありますけど、僕がこの曲に込めた
メッセージは、口下手な男性の代わりに、男性が女性に伝えたいこと、本当は
自分はこうしたい、ということを全部詰め込みました。
男性に共感してほしいというものありますね。
僕も恋人がいたら、こうしたいんです。本当に僕の憧れです。
ー制作のリアルエピソードはありますか。
S● この曲には、音楽制作のパートナーのHiroya君と一緒にレコーディングをしていたときに生まれた部分があるんです。
Cメロの「誰より好きだから 誰にも譲れない〜君の為なら強くなれる 誰より頼れる人になれる〜」というところです。
普段のHiroya君はニコニコしていて人当たりもいいし、誰とでも気の合う優しい男なんですね。
でも奥さんに対してはかなりの亭主関白で、九州男児ぶりを見せるんです。
僕としては違う彼を見てしまったみたいな感じがあるんです。(笑)
そんな彼が、レコーディングの休憩中に、奥さんについて語り出したんです。
それで急遽、その瞬間に感じたリアルを書いて、即興でCメロも作って歌ってみたんですね。
そうしたら、彼がものすごく照れながら「これ、絶対入れよう」って言ってくれたんです。
僕の思いと彼の思いが熱く伝わった瞬間でした。ここで、またリアルの大切さを実感しましたね。
そして、奥さんを呼んで聴かせたら、泣いていました。
Hiroya君は奥さんが曲を聴いて涙する姿を初めて見たらしく、彼自身もウルウルっときてました。
その瞬間、「これをタイトル曲にしよう」と決めましたね。

ーそんなにリアルだと、歌うたびにHiroya君を思い出しませんか。
S● 1人で歌っていてもHiroya君が一緒にいるのを感じ心強くなります。
結婚式に呼んでいただき歌う事も多いのですが、新郎新婦や出席者の皆さんの
涙をみて感動してジーンとするのに加えて、僕にはもう一つ、曲が出来た時の、
あの光景、感動、感触が蘇るんです。
ー3曲3様の作品に仕上がっていますが、Sing-Oさんの自信あるこだわりは
ありますか。
S● 今回のマキシシングルは、あえて3つの顔をもった楽曲を組み合わせて
みました。
僕はどこまでいってもJポッパーで日本語を歌う日本人で歌詞にこだわりを
持っています。制作ではものすごく悩み苦しみます。
でも、出来上がって世の中に出てからは、後でこう変えたいとかがまったくな
いんです。
その中でも僕が自信をもって世に出した3曲なんです。
ーアーティスト・Sing-Oのこれからの活動ビジョンを教えて下さい。
S●自分の原点であるリアルという目の前で歌う、ライブに力を入れていきたい
と思っています。
楽曲は年間100曲ペースで作りたいですね。
今まで温存しているストックは300曲くらいありますけど、それはなかった
ものとして、これから新しく書いていこうと思っています。
また、楽曲制作もHiroya君とプロデュースユニット・Hi-colorを組んで
変わりましたね。色々な角度から楽曲を見直せるようになったし新たに気が付く
事も多く二人の良さが理想の化学反応を起こしているので、ユニットを組んで
本当によかったと思っています。
以前は、こうじゃなきゃ嫌だ、という頑固な部分があったんですけど、
今はもっともっといいものを作りたい、もっともっと違うものも取り入れてみたいという気持ちが出てきました。
でも決して、軸はブレない、ブレてはならない、と思っています。
ムーブメントは起きるものではなく、起こすものだと思っているので、全力で突っ走ります!
取材・ 十河 かずこ
写真・ ウキタ キエ





